アドルフに告ぐ
第二次世界大戦前後のドイツにおけるナチス興亡の時代を背景に、「アドルフ」というファーストネームを持つ3人の男達（アドルフ・ヒットラー、アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル）の3人を主軸とし「ヒトラーがユダヤ人の血を引く」という機密文書を巡って、2人のアドルフ少年の友情が巨大な歴史の流れに翻弄されていく様と様々な人物の数奇な人生を描いた作品。「週刊文春」にて掲載されていました。
何と言ってもそのストーリーテリングが秀逸。
日本やドイツ、イスラエルと舞台を変え当時の状況を活写しています。
「ヒトラーはユダヤ人だった」という大胆な仮説に基づいたこの物語は読み手を飽きさせることはありません。
当時小学生だった私にとってもこんなにバリエーションが豊富に物語を紡ぎだす手塚治虫にはただただ尊敬するばかりでした。
